派遣社員と契約社員ってなにが違うの?メリットとデメリットを解説します
雇用形態の種類はさまざまです。とくに「派遣社員」と「契約社員」などの雇用形態について、よく耳にはするものの違いについてはわからないという方は多いのではないでしょうか。そこで今回の記事では、派遣社員と契約社員について何が違うのか、それぞれのメリットとデメリットを交えて解説します。雇用形態の違いに興味がある人は参考にしてください。
派遣社員と契約社員の大きな違い
派遣社員と契約社員の大きな違いは、雇われ方にあります。具体的には、派遣社員は派遣会社と、契約社員は就業先の企業と直接雇用契約を結ぶのです。この違いは、働く上での条件を交渉する際にはっきりと表れます。
まず派遣社員の場合は、就業先に直接伝えるのではなく、登録した派遣先の会社に伝えることで間接的な交渉を行うのです。仕事内容や給与面など、職場の人には直接いいにくいという場合も、派遣会社の営業担当が代わりに伝えてくれるのであれば安心でしょう。一方、契約社員はどのような内容の交渉であっても自分で行う必要があります。
派遣社員のメリット・デメリット
派遣社員のメリットは三点あります。一点目は「派遣会社が仕事の案内を行う」ということです。派遣社員は派遣会社に登録する際に、希望の条件やこれまでの経験、持っているスキルなどを派遣会社に伝えています。その情報を元にして派遣会社がその人に合った仕事を案内するというシステムのため、自ら求人情報を探したり選考を受けたりする必要がありません。また、契約が満了しても希望に応じて次の仕事を紹介してもらえます。
二点目は「働く上での交渉を派遣会社が行う」ということです。面と向かって伝えにくい要求や要望がある場合、自分に代わって派遣会社が派遣先の会社とやりとりをしてくれるというのは気持ちも軽く、メリットの一つといえるでしょう。
三点目は「派遣会社のサポートがある」ということです。派遣会社には独自の福利厚生を取り入れている企業も多く、休暇や優待制度、スキルアップや資格に関する講座・研修などに参加するチャンスを得られることがあります。
一方、派遣社員のデメリットは二点あります。一点目は「安定性に欠ける」ということです。ニュースなどで目にすることがあるように、社会情勢によっては派遣社員が人員整理のターゲットになることも少なくありません。しかし、派遣社員だけでなく契約社員も同様に正社員に比べて安定していないため、実情としては派遣社員と契約社員で大差はないといえるでしょう。
二点目は「同じ会社で長く働くことができない」ということです。一つの就業先で勤務できる期間は定められているため、長期的なキャリアを積むことには向いていません。しかし、複数の企業で働くことはさまざまなスキルを習得することにつながるほか柔軟性も養われるため、自分自身の強みとなる可能性も秘めています。
契約社員のメリット・デメリット
契約社員のメリットは二点あります。一点目は「一つの会社で幅広い業務を経験できる」ということです。契約社員は直接雇用であることから、さまざまな業務を経験できる可能性があります。企業によっては業務内容に応じて正社員同様の裁量権を与えられることもあるため、契約社員としての経験が自らのキャリアプランを組み立てるうえで役に立つことも多くなるでしょう。
二点目は「正社員に登用されることがある」ということです。直接雇用である契約社員は働きぶりが評価された結果、正社員としての道が開けることがあります。中途採用を行っていない企業であったとしても、契約社員からの正社員登用であれば実績があるという場合もあるため、チェックしてみるとよいでしょう。
一方、契約社員のデメリットも二点あります。一点目は「雇用期間が定められている」ということです。一回の契約期間は三年以内、高度専門職および満六十歳以上の方は五年以内が上限と定められており、更新がない場合にはその仕事先に勤め続けることができません。
二点目は「転職活動の必要がある」ということです。契約社員は正社員と同様に、求人情報を探したり選考を受けたり、採用されるまでの道筋を自ら辿っていく必要があります。そのため契約が満了した際も、次の仕事を探して転職活動を行う必要があるのです。転職活動には労力がいるため、これはデメリットの一つといえるでしょう。
今回は派遣社員と契約社員について何が違うのか、メリットとデメリットを交えて解説しました。派遣社員と契約社員では、派遣会社と雇用契約を結んでいるのか、実際に働く企業と直接雇用計画を結んでいるのかという大きな違いがあります。また、それぞれにメリットやデメリットがあり、どちらも一長一短の特徴があるようです。派遣社員として働くという選択肢も、契約社員として働くという選択肢も、どちらも違ったよさがあります。自分に合った雇用形態を選択して、日々の仕事を充実したものにしていきましょう。